小樽の水天宮拝殿に向かって左側にある稲荷神社に「開陽亭」の名が刻まれています。この稲荷神社は元々、共立検番に祀られていたもので、芸妓たちに信仰されていました。検番廃止後、大正14(1925)年に杉村義太郎(新選組・永倉新八の長男)たちによって現在地に移遷されました。稲荷神社右手の狐像台座裏には「開陽亭」をはじめ10軒の料亭名が刻まれています。左手には共立検番本店、分店、芸妓一同と杉村義太郎の名があります。「開陽亭」と、小樽の料亭・芸妓たちとゆかりが深い稲荷神社、海の守り神として海運関係者に篤く信仰された水天宮とのつながりをいまに伝える遺産といえます。水天宮に行かれた際にはぜひ立ち寄ってみてください。