小樽市史編さん室で収集した資料を元に、小樽生まれの著者の「海陽亭」への思いとともに、小樽の歴史と「海陽亭」の関わりをわかりやすくまとめられた書籍です。平成7(1995)年に、余市豆本(第3集1号)として刊行されました。昭和初期の海軍と海陽亭、岡崎嘉平太(日本銀行小樽支店、全日空社長など)、藤原銀次郎(三井物産小樽支店長、王子製紙社長など)ら実業家と海陽亭の関わりについて、「海陽亭」関連の書籍で最も詳しく記述されています。また、岡本太郎、田辺茂一(紀國屋書店創業者)など文化人たちと「海陽亭」の関わりなど、様々なエピソードが紹介されています。
著者の棚田誠哉氏は、小樽市総務部長などを歴任された後、小樽市史編さん室嘱託として市史編さん事業に携わりました。他に、小樽駅前再開発事業についてまとめた『野火焼不盡 小樽駅前再開発事業の断面』(1977年)などの著書があります。
デジタルライブラリー
・棚田誠哉『私の海陽亭』余市豆本第3集第1号、余市豆本の会、1995年。